Hough変換による曲率の小さな円弧の抽出I

概要

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画像に含まれている直線や曲線の抽出にHough変換が有効であることはよく知られているが、これまでに論文で扱われてきた円または円弧の大半は、その半径が画枠の大きさ程度かそれよりも小さいものである。それに対して素粒子反応や原子核反応で生じた粒子の軌跡の抽出では、直線か、または曲率の小さい(半径の大きい)円弧が抽出の主な対象になる。そこで、ここでは曲率の小さな円弧のHough変換について考察する。用いる検出器にもよるが、通常粒子の軌跡の測定データは通過点の座標(x,y)と、その位置における接線の角度ψで与えられる。接線の勾配が直接測定できない場合には、近接する二点の座標から勾配が算出できるので、そのようなデータが採れるように検出器を配置しておけばよい。そこで、以下では離散した測定点の座標と、その点における接線の勾配の値が既知であるとして円弧の抽出を取り扱うことにする。ただし、一般に点座標は精度よく測定できるが、勾配の測定精度は悪いということを念頭に入れておく必要がある。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20