情報検索用自己組織型シソーラスの評価
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概要
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当研究室では異種知識を用いた協調問題解決のテストベッドとして協調型情報検索システムを開発中である。ここで我々が目標としているのは「徐々に賢くなり、人間の意図や要求を推し量る」という新機能であり、それを実現するための機構の一つが「自己組織型シソーラスを用いた情報検索」である。自己組織型シソーラスはシソーラス展開された単語の組合せの中から実際に検索結果に含まれる組み合わせに応じてシソーラス中の単語間にリンクを張り、次回以降の検索におけるシソーラス展開では、追加されたリンクで結合されたものを優先的に出力するものである。自己組織型シソーラスを用いた情報検索の動作概要は以下の通りである。(1)検索要求は自立語を複数含む日本語の名詞句である。(2)検索要求は検索コントローラによって形態素解析されて自立語が取り出され、シソーラスに渡される。(3)シソーラスは受け取った各自立語を同義語や上位/下位語等に展開した結果を検索コントローラに返す。(4)検索コントローラは各展開結果をOR条件で結んだものをANDで結合して検索エージェントへの入力とする。(5)検索エージェントは検索入力に従って記事を検索し結果を検索コントローラに返す。この時、検索入力中のどの単語の組み合わせで記事が見つかったかという情報も合わせて返す。(6)検索コントローラは検索結果をユーザに返すと共に、発見された単語の組み合わせをシソーラスに知らせる。(7)シソーラスは受け取った単語の組み合わせに応じて単語間に新しいリンクを張る。これを共起関係リンクと呼ぶ。このようにして追加された共起関係リンクを用いて、次回以降のシソーラス展開では複数の語義による展開が可能な場合に、共起関係リンクで結合された語義に限定して展開することにより検索の効率を向上させる。つまり、徐々にユーザの要求に近いものが検索されるようになる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-03-15
著者
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