階層的な仮説空間とDempster-Shafer理論による推論計算
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概要
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エキスパート・システム、知的CAIシステム等多くの人工応用分野で我々は不確かな知識を取り扱い、これらの知識に基づいて各システムに必要な推論をしなければならない。例えば、病気診断システムであれば各種の診断結果が示唆する多くの可能性の中から正しい病名を同定することが必要だし、CAIシステムであれば学生からの解答を見ていくつもの可能性の中から彼らの犯している誤りを推論してゆくことが必要になる。いくつかの不確実性を伴う診断結果または解答という"証拠を積み重ねてゆく(エビデンシャル)推論法"としてDempster-Shaferの確率理論に基づく推論計算が有効であることは前報(石沢、徳田 1986)でも指摘した。本研究では、減算演算中に観測された Brown & Burton (1978)のバギーモデルに端を発し、これらのバグの生成過程をシユミレートした Brown & VanLehn (1980)の修復理論が作り出したバグを解析モデルとして推論計算を行った。彼らの理論では、減算手続きを6つのノードと12個のルールからなる一般化AND/ORグラフ(GAO)に置き換え、これらのルールを抜くことによって実際に起きる学生の誤りをシュミレートした。我々は、このモデルで生成される35個のバグを階層的なトリー構造に構築できることを示した。要素数が増えると Dempster-Shafer 理論での計算は指数関数的に爆発する欠点があり実用的でなくなるが、我々はこの階層構造を構築することにより Gordon & Shortliffe (1985)が提唱している方法を使い代数的増加に押さえることができ、効率のよい推論計算ができることを示した。
- 1989-03-15
著者
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