素朴集合論の自然演繹
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概要
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集合論の概念は知識表現や推論システムにおいて基本的な役割を担っているが, それらがどのような集合論に基づいて形式化されているのか明確ではない。これらに特定の集合論を限定できれば, 各分野での問題解決に有効であろう。知識表現や推論システムでは, ZFやNBGなどの公理的集合論よりむしろ素朴集合論を仮定していると考えられるが, 素朴集合論はそれ自体無矛盾な体系ではない。また, 知識表現等は古典論理を仮定しているため, その基礎に素朴集合論を採用すれば, 結果としてシステムの矛盾を招く。本稿では, 無矛盾な素朴集合論の証明論的基礎を提案する。素朴集合論を形式化する方法はいくつかあるが, ここでは古典論理を基礎とし, パラドックスを回避するために含意に階層の概念を導入することを議論する。これによって知識表現や推論システムが基礎とする素朴集合論の概念を扱うことが可能となる。このシステムは非節形式の定理証明によって自動化される。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-03-07