変数束縛を重視したProlog実行モデル
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概要
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Prologの実行を特徴付けるものとして、リゾリューションとユニフィケーションがあげられるが、従来のボックスモデルに基づくトレーサや、筆者らの開発したPROEDITは、前者のリゾリューションの過程を説明することに重点を置いて、バックトラックを含む制御の流れを視覚化することを目的としていた。ところが、プログラムが大規模になり、引数の数の多い述語をデバッグする際には、制御の流れだけではなく、どの変数がどこで束縛され、その時の他の変数の状態はどのようであったかを知りたいことが多い。つまり後者のユニフィケーションの情報が必要とされるのである。実際、ユーザは新たにクローズを定義するときには、各変数にたいして、ヘッドの入/出力用変数、サブゴール間をつなぐ中間変数等の投割付をしながらプログラミングをしているわけであるから、変数束縛の情報を表示することは、プログラムが正しく動いているか調べる上でも重要である。本稿ではわれわれがPRODITで提案したBPM(Box and Plane Model)を変数束縛の表示もできる形に拡張した3次元ボックスモデルを提案し、それに基づく実行モデルを説明する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01