パターンマッチングによる等式インタプリタの性能について
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概要
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本稿は,等式をプログラム言語とみなし,これをパターンマッチングによって解釈実行するインタプリタについて述べる.特に,パターンマッチングを高速化するためのいくつかの工夫を述べ,その結果を他の方式と比較し,パターンマッチングによる方法が有効であることを示す.広くプログラミング言語として用いられている手続き的言語は多くの問題点を含んでいる.例えば,文の実行順序,副作用,記述能力の低いこと等を指摘することができる.特に,記述能力の低いこと,すなわち,プログラムと解こうとしている問題との間の関係を理解するのが非常に困難なことである.手続き的言語のこれらの問題点を克服するものとして非手続き的言語--関数型言語,論理型言語等--が活発に研究されている.ここでは,非手続き的言語の一つとして等式による言語,いわゆる等式言語を扱う.等式言語はその意味が簡潔明瞭であるばかりでなく,左辺を右辺で置き換える操作を計算過程の表現とみなすことができる.この方法を用いて,効率よくかつ一意的な結果を得るためには等式に二三の制限を設ける必要がある.次節で,等式言語の形式と置換方法についての基本的事項を要約する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01