n-パラフィンの種類と酵母による資化性との関係
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概要
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n-パラフィンの種類と酵母によるその資化性との関係を, 各n-パラフィンを単独に使用した場合, n-パラフィンのプリスタン溶液にして使用した場合および各n-パラフィンの混合物として使用した場合の3通りについて検討した. 使用菌としてCandida kofuensis MT-Y-8およびC. rugosa JF-114を用いたが, 両菌株とも類似した傾向の資化性を示した. 各n-パラフィンを単独に使用した場合は, 各n-パラフィンの資化性は従来報告されている結果と同じ傾向を示した. すなわちC_8以下のn-パラフィンは資化されず, C_9からC_<18>またはC_<19>までの培養温度で液体のn-パラフィンは分子量が増加するにつれてその資化性も増加し, 培養温度で個体のC_<19>またはC_<20>以上のn-パラフィンはほとんど資化されなかった. n-パラフィンをプリスタン溶液にした場合は, C_8以下のn-パラフィンは単独使用の場合と同様に資化されなかったが, C_9からC_<11>またはC_<12>および固体n-パラフィンの資化性は単独使用の場合より著しく増加し, 逆に分子量の大きい液体n-パラフィンの資化性は減じた. その結果, C_9以上のn-パラフィンの資化性は大略同じになった. このことは, プリスタン溶液にしても非資化性のn-パラフィンを資化性のn-パラフィンに変化させることは出来ないこと, および資化性n-パラフィンに関しては, プリスタン溶液にすることによって, n-パラフィン単独の場合には存在していた物理的性質の相異がプリスタン溶液にすることによってほとんど消失し, その結果, 資化性もほぼ同一になったことを示していると推定される. 各n-パラフィン(C_<10>〜C_<20>)の混合物として使用した場合は, 低分子のn-パラフィンの方が先に消費された. n-パラフィンの単独使用の場合およびプリスタン溶液の場合は, 資化性を増殖した菌体量で測定し, 混合物の場合は消費されたn-パラフィンの量で測定しているので直接に比較することは出来ないが, 各々の場合に, 異なる結果を示したことは興味深い.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1974-12-25
著者
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上野 喜三郎
三井東圧化学株総合研究所
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浅井 義之
三井東圧化学株総合研究所
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米村 弘子
三井東圧化学株総合研究所
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亀谷 哲治
東北大・薬学部
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亀谷 哲治
東北大・薬
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上野 喜三郎
三井東圧化学株式会社総合研究所
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浅井 義之
三井東圧化学(株)中央研究所
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