ガス状炭化水素による微生物蛋白の生産と副産物としての表面活性剤の回収
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概要
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ガス状炭化水素より生産される酵母細胞は芳香族化合物による特殊な不快味および臭を呈する.本報では硫酸処理による芳香族化合物の除去方法を検討し, さらに芳香族化合物の酵母増殖, および酵母細胞の臭味に対する影響と, 処理によって副産物として得られたsulphonate の表面活性剤としての利用について検討した.ガス状炭化水素の硫酸処理は, ガス状炭化水素と濃硫酸(sp. gr. 1.84) を容量比1対1.5で, 70℃にて撹拌後, 一夜放置し, ガス状炭化水素を分離し, アルカリで洗滌するのが最適であった.この処理によってガス状炭化水素中の芳香族化合物は38%から2〜6%まで除去され, さらに五酸化リンを併用すると0%まで除去できた.芳香族化合物の増殖速度に対する影響は0〜5%まで除去した場合, 未処理の場合よりもgeneration time を約25%短縮することができた.また硫酸処理で芳香族化合物を除去したガス状炭化水素より得た細胞は五酸化リンを併用した場合を除き, 不快味や臭を呈しなかった.五酸化リンを併用した場合はやや酸味を呈した.硫酸処理によって除去されるacidic sluge より得たsulphonate は表面活性剤としての性質を有し, 水溶系における表面張力の低下や親水性が必要な系に利用できる.醗酵終了後に回収される非質化性のnapthene やisoparaffin 系物質を含む paraffin oil は精油に対するblending stock として有用であると考えられる.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1971-06-25
著者
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Iyengar M.
Biochemistry Division Regional Research Laboratory
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Iyengar M.
Regional Research Laboratory
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Nigam J.
Biochemistry Division, Regional Research Laboratory
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Nigam J.
Regional Research Laboratory
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Vadalkar K.
Regional Research Laboratory
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Baruah J.
Regional Research Laboratory
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Srivastava S.
Regional Research Laboratory
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Chanda D.
Regional Research Laboratory
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Krishna P.
Regional Research Laboratory
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Nigam J.
Biochemistry Division Regional Research Laboratory
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Baruah J.
Biochemistry Division Regional Research Laboratory
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Vadalkar K.
Regional Reseach Laboratory
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Vadalklar K.
Regional Reseach Laboratory
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