スギの幹と枝の諸形質に対する植栽密度とクローンの影響
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概要
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スギのサシキによる22クローンを3段階の密度で, 単木混交で植栽し, 13年後, 各個体の諸形質を調査した。得られた各形質のデータを分散分析して, クローンの効果や密度の効果およびクローンと密度の交互作用の効果等を, 全変動に対する各要因の変動の寄与率を尺度として検討した。対象とした形質は, 樹高, 幹の直径, 幹の完満性, 枝張り, 枝の長さと太さ, 枝の数, 枝の角度である。クローンの寄与率は枝の数以外のすべての形質で大きく, 密度の寄与率は幹の直径や完満性, 枝張りおよび枝の長さや太さで大きかった。しかし, 枝張りや枝の長さおよび太さは, 胸高直径に比例して大きくなっているため, この3形質を胸高直径で修正して分析すると, 密度の寄与率はほとんどない。また, 完満度についても, 幹の一定間隔の直径減量を胸高直径で修正した完満度では, 密度の寄与率が低い。これらの結果から, 対象とした幹, 枝の形質ではクローンの効果が大きく, クローンの特性は密度の変化により, あまり影響を受けないことが明らかになった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1987-04-25
著者
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