マツノマダラカミキリに対する有機リン剤単剤と有機リン剤・EDB混合剤の殺虫力の比較(II) : 蛹室内のマツノマダラカミキリに対する毒性
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概要
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供試丸太は, 長さ1mの皮はぎマツ丸太で, 供試薬剤の成分は, MEP, MPP, EDB, keroseneである。丸太内の蛹室で越冬中のカミキリ幼虫に対し, 異なる濃度の薬剤を表面積1m^2当たり600mlの割合で, 丸太の表面に1月に散布した。8月に丸太を割材し, 死亡率(羽化脱出阻止率)を調べ, 各薬剤の毒性をプロビット法で比較した。毒性(LC_<50>-MEPまたはMPPの散布濃度)は, 0.094%(MEP単剤), 0.078%(MEP・EDB混合剤), 0.559%(MPP単剤)および0.543%(MPP・EDB混合剤)であり, LC_<90>は, 0.332%(MEP単剤), 0.294%(MEP・EDB混合剤), 1.449%(MPP単剤)および1.064%(MPP・EDB混合剤)であった。しかし, 0.95信頼区間から判断すると, MEPとMPPともに, 単剤と混合剤間に有為な差はない。したがって蛹室内のカミキリに対し, 有機リン剤単剤と有機リン剤・EDB混合剤の間に, 殺虫力に顕著な違いはないと思われる。
- 日本森林学会の論文
- 1980-03-25
著者
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