チシマザサの開花枯死後の林床植物の変化について
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概要
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1966年北海道音威子府村北海道大学中川地方演習林で大面積に開花したチシマザサの枯死, 実生による回復と他の植物の変化について1967年から1977年まで5個所の調査地で調べた。開花枯死したチシマザサは5〜6年で消失した。チシマザサの種子は2年後に発芽したがプロットの条件によってその数は変化し, プロットIでは6年目に発芽数が最高に達し, その後しだいに減少した。枯死する前のチシマザサの稈長はプロットI、IVで201〜300cmであった。実生チシマザサの稈長は1977年プロットIで150〜170cm.プロットIVで83〜89cmであった。実生チシマザサの稈長が枯死する前の稈長に達するにはプロットIでは十数年, プロットIVはプロットIにくらべて環境条件が悪いので二十数年必要だと考えられる。1977年における針葉樹の実生はプロットIでは0,プロットIVで26本であり, 広葉樹の実生はプロットIで19本, プロットIVで3本であった。プロットIIIから約5m離れて群生していたトドマツは1976年までの9年間で21.1cmから112.9cmと約5.3倍に生長していた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1980-01-25
著者
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