斜面に生育するヒノキ林の土と有機物の地表面移動量
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概要
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ヒノキ林内での土や有機物の移動量を1 m×1 mの方形区画からの流出量を測定することによってしらべた。傾斜15°での平均移動量を1とすると, 23°では土が1.92,有機物が1.03,41°では土が5.05,有機物が1.27であった。傾斜が23°の所で林床植生を刈り取ると移動量は, 土が1.31倍, 有機物が1.39倍にふえた。1年間に移動する土や有機物の量および炭素や窒素の含有量を土については0〜20 cmのふかさの土壌に対して, 有機物については年間落葉枝量に対する比率で示すと, 移動した土の中の炭素は0.2〜1.9%, 窒素は0.1〜0.9%, 移動した有機物の量は6〜9%, 炭素は6〜9%, 窒素は8〜10%となった。移動量には雨量よりも地表の状態が, 大きな影響を与えていることがわかった。
- 日本森林学会の論文
- 1977-05-25