トドマツ輪生枝の樹液圧に与える雪の影響
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概要
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降雪前後のトドマツ苗木の水分状態を検討するため, 樹液圧(SP)と相対的含水率(RWC)を測定した。SPの測定はプレッシャーチャンバー法によった。SPは降雪前の12月には約-30気圧に低下したが, 苗木が積雪下になると上昇する。すなわち降雪後1月下旬までに約20気圧上昇して-10気圧になった。しかしRWCは12月の70%付近から降雪後も数%の増加しか示さなかった。融雪により部分的に雪上に出た苗木のSPは3月に-40気圧まで下がった。積雪下のSPの高い苗木(A)をガラス室(10-20℃)にうつすとSPは急速に低下したが, 部分的に雪上に出ていたSPの低い苗木(B)のばあいにはSPが上昇した。苗木の地上部全体を雪上にさらすとSPは低下し, 6日後-35気圧に達するものがあった。低下は苗木(A)でいちじるしいが, 苗木(B)でもはじめのSPが-35気圧以上のばあいには低下がみられた。こうした処理によってRWCはほぼ80%から60%の間で変化した。
- 日本森林学会の論文
- 1976-07-25
著者
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