外国産樹種の特性に関する研究(I) : スラッシュマツ稚苗の発根性
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概要
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この報告は, スラッシュマツの稚苗を供試材料として, サシキを行ない, サシ床の種類およびホルモン処理(IBA)が, 稚苗の活着, 発根ならびに生長に及ぼす影響を取り纏めたものである。(A) 床土別のサシキによるスラッシュマツ稚苗の発根性 この研究では, 土性を異にするサシ床に, スラッシュマツの稚苗の地下部を切り除いて, サシキをした場合のサシホの活着, T/R率を調査した。サシ付け後90日の結果は次のとおりである。[table](1) 苗畑で正常に生長したE区より, A〜D区のT/R率は小さいから, サシキした場合は, 地上部の生長に比べて, 地下部の根系の比率は, 豊富になる(写真2〜6参照)。(2) 発根率, 地上部の長さ, 地上部の重さは, 透水速度の小さい床土ほど値は大きいが, T/R率は, 透水速度の大きい床土ほど小さい。(3) このように稚苗のサシキによった苗木が, どのように生長するかは今後の研究課題と思われる。(B) ホルモン処理(IBA)によるスラッシュマツ稚苗の発根性 マツ属は一般に発根が困難であるので, 発根が容易であるスラッシュマツの稚苗を材料として, ホルモン処理(IBA)によるスラッシュマツ稚苗のサシホの発根性を調べた。処理後90日目の結果は次のとおりである。(1) 対照区は, いずれの場合も, サシホの切口より発根がみられ, 処理区より, 一次根は長い。(2) IBA 500 ppm処理においては, 発根率は処理時間の長い順に低下し, 24時間処理では枯損した。(3) IBA 500 ppm処理においてのみ, 発根した稚苗の中には, 切口から発根するばかりでなく, 切口断面に近い部分からも発根がみとめたが, 根の長さは短い(写真7参照)。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1963-02-25
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