木材腐朽菌ヒイロタケによるブドウ糖その他 2,3 基質の酸化的同化
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概要
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ヒイロタケ菌粒によるブドウ糖その他の酸化的同化率を酸素吸収量の測定値から計算した。即ち, ブドウ糖で約80%, 焦性ブドウ酸では90%以上(しかも同化速度が急速である), アセトアルデヒド, エチルアルコール及び酢酸では, 50%程度の同化率であつた。エチルアルコールの場合, 基質酸化の初期に著しいRQ低下が見られたが, これは細胞による炭酸ガス吸収反応のためと解されるので, 同化率の計算を炭酸ガス発生量をもとにして行うと80%近くになる。また, 2,4-ヂニトロフェノールによる阻害実験をアルコール同化の場合に試みたが, 同薬剤は菌の内部呼吸も約2倍に増大させる。従つてその阻害効果を従来の如く簡単に論ずることはできぬと思う。なお, 焦性ブドウ酸の同化においてその速度と率が非常に大きいことは, この物質を同化過程への出発点と考える説に一つの支持を与えるものとなろう。
- 日本森林学会の論文
- 1956-12-25
著者
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