マツタケ菌の増殖法(I) : マツタケ感染苗の育成法
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概要
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マツタケ人工栽培の一方法として, 林地等への菌移植用のマツタケ感染マツ苗の育成法を検討した。マツタケのシロ外縁に沿って植えた3〜4年生のアカマツ苗の根には, 植え付け8〜12カ月後に多量の菌根が形成された。この菌根はマツタケがアカマツの根に形成する菌根の諸特徴を完全に具えたテング巣状のものであった。この感染苗を林地に移植した場合, 菌は6カ月以上生存した。したがって, マツタケ感染苗の育成は一応の成功をみたといえる。マツタケ感染苗をつくるための要点は以下のとおりである。1)使用するシロは位置が確認されており, 若くて活発に生長しているものであること。2)シロ周辺のかん木は苗の植え付け前に除伐されていること。3)使用する苗は苗畑で育成した3〜4年生の根量の多いもの, またはまえもって, ポット等で育成された, 菌根の少ないものがよい。4)苗の枝葉を約半量にし, 根は直根, 細根をおとして水洗する。殺菌剤による消毒は不要。5)苗の植え付け時期は2〜3月, 掘り取り時期は11〜4月が適当であった。6)外国産マツ類には完全な菌根形成が認めれなかった。
- 日本森林学会の論文
- 1978-04-25
著者
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小川 真
林試
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紺谷 修治
農林省林業試驗場
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紺谷 修治
農林省林業試験場
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小川 真
農林省林業試験場土じょう微生物研究室
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梅原 武夫
京都府林業試験場
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山路 木曽男
農林省林業試験場
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小川 真
農林省林業試験場 土壌微生物研究室
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