確率過程としての林分の遷移(V)
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概要
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1.林齢τをパラメーターとする直径分布ψ(τ, y)に関する林分遷移の基礎方程式[numerical formula]から, [numerical formula]と仮定して, 1つの基本解[numerical formula]を得た。この解は正規分布に生存率e^<-cτ>が掛った形をしているが, 分散, 直径の生長開始時点が, u, およびvと分離可能になっているために前報IVで得られた解(42)よりも一般的である。2.尾鷲市の12個所の標準地についての生長記録を基にして, 正規確率紙, 二項確率紙を用いて, 一斉同齢林分の直径分布型, および直径遷移確率などの吟味を行い, われわれの理論の根拠を確かめた。3.歪度がプラスとなる直径分布をもつ一斉同齢林分の生長モデルとして, 吸収壁をもつ境界条件をつけたときの遷移方程式の解[numerical formula]ここで[numerical formula]を得た。4.上にあげた2つの解はマイナスのyに対しては, 実際上有意な確率はもたないことを説明した。5.ここに得られた2つの解をそれぞれ現実の林分の生長過程に当てはめた結果, 分散の増大開始時点uが予想より少し大きくなった点を除けば, 現段階では大体満足すべき適合を見た。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1974-06-25
著者
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