マツクイムシの生化学的防除に関する研究(I) : 各種マツ葉中のカロチノイド分析
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概要
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マツクイムシに比較的抵抗性をもっているテーダマツ, スラッシュマツと被害を受けやすいクロマツ, アカマツの色素成分, 特にカロチノイドの差異について検討した。供試試料は18年生樹の第3枝階1年生葉を用いた。1)全色素およびカロチノイドの可視部吸収スペクトルを測定した結果, 各樹種ともきわめて類似したスペクトルが得られた。2)カロチノイド含有量を4樹種について比較すると, アカマツ>クロマツ>テーダマツ>スラッシュマツの順になり, マツクイムシに食害されやすいアカマツ, クロマツのカロチノイド含有量はマツクイムシに抵抗性をもつテーダマツ, スラッシュマツの約2倍量を示した。3)カロチノイドを薄層クロマトグラフィーで分離すると, 各樹種とも6つの成分に分離された。各樹種の6成分についてそれぞれ可視部吸収スペクトルを測定した結果, スペクトルは4樹種とも同じ傾向を示すが, カロチノイド各フラクションの含有量は樹種間にかなりの差異が認められた。4)クロロフィル含有量を3樹種について比較すると, テーダマツ>クロマツ>スラッシュマの順になり, マツクイムシ抵抗性との間に相関関係は認められなかった。
- 日本森林学会の論文
- 1972-11-25
著者
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