線型計画法による造林投資計画と技術選択
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概要
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造林事業計画を立案するさい, 計画者は限られた資金や労働力の範囲内で造林投資の優先順位を決定し, そこでとられるべき最良の技術を選択しなければならない。ところが, こうした意志決定において考慮すベき因子は数多く存在し, かつそれらは複雑な関係で結ばれているため, 腰だめ的な計算や勘による決定がきわめて困離である。筆者らは, 線型計画の手法を援用して計画モデルを定式化し, 最適造林投資計画の設計をこころみた。ひとつは通常の線型計画法による分期計画であり, いまひとつは多段階線型計画法による年次計画である。かかるモデルの利点は, こみいった特定の問題に対して最適解を与えるということだけにとどまるものではない。数多くの思考実験ないしはシミュレーションをとおして, 与件の変動がシステム全体に及ぼす影響を追跡することができる。それは森林経営者に貴重な情報を提供するであろう。本稿では東京営林局高萩営林署のデータをもとに, いくつかの応用例が示されている。ただし筆者らは, あくまでも基礎的な方法論の確立とモデルの有効性テストに主眼をおいた。個々の生産方法についての詳細な技術的検討は各専門分野の協力にまちたい。
- 日本森林学会の論文
- 1970-07-25
著者
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