せき悪荒廃林地土壌に関する研究(I) : 新第三紀層土壌の受食性についての実験
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概要
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山形県羽前大山地区の新第三紀層凝灰岩起源土壌の自然構造土を風乾および飽水状態にして, 土壌性質と水食の関係を人工降雨により実験的にしらべた。1)侵食土量と供試時間の間には次式であらわされる関係がみとめられた。[numerical formula]E : 侵食土量, 対原土百分率 t : 供試時間, 分a, b : 常数, ただし0<b<1 2)侵食量をあらわす指標として30分間侵食量(対原土百分率)E_<30>を用いると, E_<30>は原土容積重増大にともない直線的に増大する傾向がみられた。3)細土炭素量とE_<30>は両対数グラフ上で負の直線関係がみとめられた。4)供試体中根重が増えるとE_<30>は両対数グラフ上で直線的に減少した。5)水分当量と侵食量には負の直線関係がみとめられた。6)分散率と侵食量は正の直線関係にあった。7)侵食量と上記土壌諸性質の関係式における回帰係数は, 飽水試料と風乾試料とでは有意に異なる。その絶対値は風乾試料のほうが飽水試料のものより大きかった。8)風乾試料の実験において侵食土と残土の石礫含有率を測定すると, 易食的な試料は耐食的なものにくらべて, 侵食土は細土に, 残土は石礫に富むことがわかった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1968-03-25