山腹工法面の侵食に関する研究 : 降雨加速指数と土砂流出との関係について
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概要
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山腹砂防工における積苗工その他の水平階段の中間に残される法面の土壌侵食の実態を明らかにするため, 昭和41年5月から11月末日までの降雨量その他を自記記録計で観測し, 毎週1回法面から流出した土砂量を測定した。この測定に用いた試験区は斜面長2m, 幅50cmとし, 傾斜角15°区, 20°区, 30°区, 40°区にそれぞれ2ヵ所ずつとり, それと植栽区内に2ヵ所とり, 計10ヵ所で測定した。その結果次の基本式が成り立つことがわかった。E=a(PIi)^b Eは土砂流出量(g), Pは週間降雨量(mm), Iは1時間最大降雨量(mm), iは10分間最大降雨量(mm), aおよびbは常数で, 各プロットごとでは, a=0.07〜0.98,b=0.73〜0.97,裸地8ヵ所合計でa=3.08,b=0.79,植栽区の代表でa=0.87,b=0.48となった。この基本式に傾斜度の因子を入れなかったのは, 傾斜度と土砂流出量との間には強い相関関係は見出せなかったためである。植栽区内では明らかに土砂流出量が少なくなり, 係数bは小さな値をとる傾向を示したが, 植生や被覆工の影響については傾斜の因子とともに将来"一般公式"として完成したい考えであるが, 本報告では触れない。
- 1967-07-25
著者
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