樹木個体群の更新過程からみた天然林施業のあり方
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概要
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北海道における主要伐採樹種であるエゾマツとトドマツの個体群動態を直径遷移行列モデルで解析し, とくに稚樹(樹高2m未満)のリクルート率が林冠個体群(胸高直径10cm以上)の動態に与える影響を検討した。林冠個体密度の動態は以下の三つのモデルで比較された:モデル1, リクルート率を単位時間・単位林冠個体当りの新規参入個体数で与えた場合。モデル2, リクルート率を単位時間当りの新規参入個体数で与えた場合。モデル3,リクルート率を林冠個体密度に依存した単位時間当りの新規参入個体数で与えた場合。リクルート率のおきかたによって予測される個体群動態は異なっていた。従来行われてきた林分の生長量と伐採量のバランス維持を観点とした天然林施業[モデル1]では保続経営が困難で, 平衡個体群密度および安定サイズ分布に基づいた施業計画が有効であることが示唆された。
- 日本森林学会の論文
- 1996-02-16
著者
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