森林生態系における水・炭素・窒素循環の研究に役立つProcess-Based Model
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概要
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日林誌84:54〜62,2002Process-based model(PBM)とは,森林生態系における水・炭素・窒素循環を循環のプロセスにしたがってシミュレートし,森林成長や森林の水利用などを予測するためのモデルである。PBMは,海外において盛んに使われてきた。そして,PBMの利用を通して,それまで個別・細分化されていた森林生態系に関する理解・情報が統合・体系化され,森林生態系の総合的理解がすすんできた。現在では,PBMは,気候変動に対応した森林管理戦略の提案など,実際的問題に対しても使われるようになっている。このように,PBMは森林生態系研究において重要な役割を果たす。それにもかかわらず,わが国において,PBMはほとんど使われていない。そこで,わが国におけるPBMの理解・利用を促進するために,PBMの解説を行った。本論では,あらたにPBMを理解・利用しようとする場合にとくに重要となるつぎの2点について,説明を加えた。その2点とは,1)PBMは,従来の水文学における水循環モデル,生態学における炭素循環モデルとどのように異なるか,また,2)PBMにはさまざまなものがあるが,それはなぜなのか,である。この2点を説明することを通じて,PBMを理解・利用するための基礎を示した。
- 2002-02-16
著者
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