イランのブナ(Fagus orientalis)林の伐採後の再生過程
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概要
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イラン北部、カスピ海に面したアルボーズ山脈に分布するオリエントブナ(Fagus orientalis L.)林の分布域内において、ブナ林伐採後の年代を異にする林分に50m×50mの3プロットを設置して、構造と後継樹の調査からブナ林への再生過程を調査した。各プロットは伐採後、約200年(プロット1)、40〜50年(同4)、15年(同7)であった。樹木構成では最も若いプロット7では同樹齢のCarpinus betulusは90%の高い立木密度に生育し、プロット4でF. orientalisと混交して、同樹齢のC. betulusは50%、1ではF. orientalisが優占して10%にまで低下していた。このことからC. betulusは先駆種としての性質をもつと考えられた。林内照度がたいへん低いプロット7ではC. betulusの実生・稚樹はまったく見られなかったが、他の二つのプロットには生育していた。一方、F. orientalisの実生・稚樹はすべてのプロットに生育していた。このことから、伐採という行為で、人によって作られた大規模なギャップは最初は耐陰性の弱いC. betulusの旺盛な生育を促すが、時間の経過による光循環の悪化はその種から耐陰性をもつF. orientalisの増加に移行する。そして、最終的には長年月を経てプロット1に見られるようなブナ優占林へ再生するものと考察された。
- 日本森林学会の論文
- 1995-03-01
著者
-
福嶋 司
東京農工大学大学院共生科学技術研究院
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福嶋 司
東京農工大学連合農学研究科
-
アキバリニア モスレム
東京農工大学大学院連合農学研究科
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福嶋 司
東京農工大
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アキバリニア モスレム
東京農工大学連合大学院農学研究科
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