ヒバ林の成立過程(II) : 更新パターン
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概要
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大面積の強度な撹乱の後に成立したヒバ天然生林においてサイズ, 齢および分散構造を解析し, ヒバの更新過程について検討した。伐根年輪数は50〜250にわたる非常に幅広い連続的な分布を示した。分散構造では異齢の個体が混ざり合って分布し, さまざまな発達段階の同齢集団のパッチがモザイク状に配置される構造は認められなかった。また胸高直径も幅の広い一山型の分布を示した。このような林分構造の成立には以下の二つのプロセスが関与していると考えられる。1)ヒバ稚樹が林冠下で長期間生存できるため, ギャップ内に限らず広く林内で定着した稚樹にも後の林冠疎開まで生存して更新樹となる可能性が与えられ, さまざまな齢の後継樹が林内に蓄積された。2)林内に蓄積された小サイズの後継樹が大面積・強度の撹乱の後に一斉に旺盛な成長を遂げた。
- 日本森林学会の論文
- 1993-05-01
著者
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