ケヤキの葉の引張り強度および二三の物理的性質と化学的性質の季節変化
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概要
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樹木の葉をパーテクルボード等の原料にすること, およびその生理的な季節変化を明らかにすることを目的として, ケヤキの葉を開葉直後から落葉直前までの7カ月間にわたって間隔をおいて採取し, その引張り強度と二三の物理的, 化学的性質の季節変化を測定した。引張り強度は開葉直後に低いが, 7月下旬まで急激に上昇して約220kg/mm^2に達し, それ以降の変化はわずかであった。比重は5〜7月に同様な急激な上昇傾向を示すが, 9月下旬から急激に低下した。含水率は開葉直後の最大約285%から急激に低下して7月上旬ごろには約120%に達し, それ以降の低下はわずかであった。アルコール・ベンゼン抽出物および"リグニン"の挙動はやや複雑であったが, 9月上旬まで上昇し, 10月下旬から急激に低下した。引張り強度と比重の増大傾向および含水率の減少傾向の三つは互いによく対応しており, 葉の成熟過程を示すものと考えられ, ケヤキの葉をパーテクルボード等の補助原料として利用する場合には, 8月以降に採取すべきことを示唆しているものと思われる。
- 日本森林学会の論文
- 1991-07-01
著者
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