林地緩斜面土層中のパイプフローの特性 (II) : パイプの水理特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
植物根系によって発生したと推定されるパイプの水理特性を, 透水試験などによって明らかにした。試験方法は以下のとおりである。1)山腹斜面土層中より, パイプを含めた断面9.5×9.5cm, 長さ30cmの土壌サンプルを採取する, 2)サンプルに種々の水頭差をかけて透水試験を行う, 3)パイプ内の土を耳かき状のさじで採取し分析する, 4)サンプルのパイプ部分に石膏を流し込み固める, 5)もう一度, 透水試験を行い非パイプ部分の透水係数を求め, 2)との差からパイプフローの流量を算出する, 6)サンプルを分解し, 石膏で固められたパイプ部分を取り出す, 7)このパイプ部分の体積, 直径など形状を測定する。以上の試験を10サンプルについて行った結果, パイプの形状は断面が離心率0.39〜0.84の楕円形であること, パイプ内の団粒化した土の占める体積は10%以下であること, パイプ内の水の動きにはDARCY-WEISBACHの式が適用でき, MANNINGの粗度係数は0.036〜1.364という大きな値を示すことなどが判明した。
- 日本森林学会の論文
- 1989-08-01
著者
関連論文
- 平成7年兵庫県南部地震による山地崩壊
- 降雨を原因とする斜面崩壊に土層厚が及ぼす影響
- 18.緑化植物の浸食防止機能に関する実験 : 播種後の地被量と粗度係数の経時変化(第25回日本緑化工学会研究発表会)
- つくば市のクロミドリシジミ
- 森林が表面侵食を防ぐ(森林は土砂流出をどの程度防げるか)
- 谷頭堆積地からの地下水流出に及ぼすパイプの影響
- 蝶(チョウ)の食草(森に遊び森を楽しむ)
- 側方浸透流量に占めるパイプ流量の割合
- 森林における降雪の遮断蒸発
- 1次谷流域における河川流量とパイプ流量の関係
- 林地緩斜面土層中のパイプフローの特性 (II) : パイプの水理特性
- 林地における土壌水分の動態について(VIII) : 不飽和透水係数の推定(会員研究発表論文)
- 冬期における小流域からの流出(会員研究発表論文)
- 平面ライシメータによる地被別水収支の比較試験(会員研究発表論文)
- 積雪期の森林樹冠アルベード : トドマツおよびカラマツ人工林における観測結果(会員研究発表論文)
- 積雪に及ぼす森林の影響(会員研究発表論文)
- 山地小流域における浮遊土砂の測定(会員研究発表論文)
- 針広混交林における地面蒸発量の季節変化(会員研究発表論文)
- 山地小流域における浮遊土砂の測定(II) : 出水時における変化(会員研究発表論文)
- 山地小流域における水収支(会員研究発表論文)
- 森林施業と積雪変化の調査例(会員研究発表論文)
- 報告1.森林と水土保全(シンポジウム 多目的利用のもとでの森林・林業-21世紀に向けての新しい方向性をもとめて-,日本林学会北海道支部平成2年度春季行事)