通勤歩行経費からみた最適路網密度の考察
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概要
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山林労働者の通勤歩行負担を明らかにするために, 歩行速度と生理的負担の間の関係を調査した。この結果, 歩行速度と平均勾配の間に10kg負荷ごと(0〜30kg)の四次元回帰式(1)〜(4)を得て, そしてこれらの回帰式が生理的限界近くにあることの確信を得た。そこで, 最適通勤歩行範囲を検討するために, 10kg負荷の場合の四次元回帰式(2)を用いて歩行経費の関係より最適路網密度を三つの実例(急地形, 中地形, 緩地形)について評価した。この結果, 路網整備は伐出技術の経済性より考えられた経済的路網密度の考え方からだけではなく, 歩行経費による最適路網密度も考えに入れて行われるべきである。その上で, もし伐出技術から考えられた経済的路網密度が歩行経費による最適路網密度よりも高い場合は, 前者の路網密度を採用することによって歩行経費と生理的負担は最小になるであろうことが結論づけられた。
- 日本森林学会の論文
- 1989-07-01
著者
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