キリストに依る世界 : ルルド巡礼は同時代の問題にいかに応答してきたか(<特集>「生活の宗教」としてのキリスト教)
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概要
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ルルド巡礼は、キリストを参照の枠組みとしながら同時代の問題に応答しようとした人々の活動という側面を持つ。それは、向き合った問題と応答の違いにより、三つの時期に分けられる。(1)伝統的共同体秩序の崩壊に対し、キリストと契約し過去・現在・未来を共有する「わたしたち」であることを確認する物語と祭儀を提供する。(2)伝統的連帯の崩壊や労働問題に対し、キリストに命じられた「神の愛の授受」としての慈善活動によって、富める「わたしたち」と貧しい「かれら」の間に社会的紐帯を生もうとする。(3)近代医療社会において病・老・死が秘匿すべき私事となっているために孤独に苦しむ人々に対し、病・老・死という肉体にまつわる私事を持ちだし皆で向き合う公の場を提供する。このようにルルド巡礼は三つの時期を通じて、参加の場に説得力を持たせる物語と参加の場を作り出す実践を用意し、参加者が守るべき適切な関係と行動の規範を定めてきたのである。
- 2003-09-30
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