「間質性・びまん性肺疾患と気管支鏡」に寄せて(<特集>間質性・びまん性肺疾患と気管支鏡)
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概要
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肺胞は広大な表面積(テニスコート一面位)を有しており, ここで効率よく酸素と二酸化炭素のガス交換を行い生体を維持している. そしてこの肺胞を支え, 構築しているのが, 膠原線維や弾性線維を含む結合織-肺の間質-である. この間質という領域を中心にして, 様々なタイプの炎症が発生し, それに伴って様々なタイプの疾患が生じてくる. これらが間質性肺疾患とよばれる疾患群であり, これらの疾患では多かれ少なかれ, 肺胞領域にも病変が及び, 複雑な形をとり, 病変は肺全体に広がることが多いことから, びまん性肺疾患と最近では呼ばれつつある. この間質性, びまん性肺疾患の中には, 様々なタイプの間質性肺炎, サルコイドーシス, 過敏性肺炎, 好酸球性肺炎などが含まれ, 免疫学的な異常の色彩も多くの疾患でみられるが, 全く原因の不明な疾患も多く含まれている. これらの疾患は, 画像的には様々なタイプのびまん性陰影として捉えられるが, 画像のみでの確定診断は難しい. 従って, これらの疾患の診断に大きな力を発揮するのが, 気管支鏡を用いた検査ということになる. 大別して, 気管支肺胞洗浄(BAL)と経気管支肺生検(TBLB)が診断法として重要であり, 疾患によってはBALがきわめて特徴的であり診断に直結する場合もあれば, 参考程度となる疾患もある. また, 間質性肺炎の病型分類には, TBLBによる小さな検体ではなお不十分であり, 胸腔鏡下肺生検の必要性が示されている. 現在では, 間質性, びまん性肺疾患の診断と治療には, こういったバックグラウンドをよく理解し, 正しい診断法を選択することが要求されてきている. 今回, ミニ特集を組むにあたって, これら疾患群の中でも重要なものをいくつか取り上げ, 気管支鏡という視点から, 最新の知見を各分野のエキスパートの先生方に解説して戴いた. びまん性の陰影を呈する, 特徴的で個性的な各疾患に対して, 呼吸器内科医がどのようなアプローチを行っているのか, 御一読戴ければ幸いである.
- 2005-01-25
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