被包性胸水に合併した Tracheobronchopathia chondroplastica の 1 例

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概要

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被包性胸水を有する患者にみられたTracheo bronchopathia chondroplasticaの1例を報告する。患者は68歳の男性で, 右胸膜炎の既往があり, 血痰を主訴として受診した。胸部X線では右中下肺野を占める大きな腫瘤影を認め, 側胸部でtaperingを示すことから肺外と考えられた。CTでは腫瘤の内部は均一なwater densityを示し, 被包性胸水と診断された。気管支鏡では, 気管・右主幹・中幹の膜様部を除く壁に多数の黄白色の小結節を認め, 病理組織学的には粘膜直下に軟骨組織を認めた。右側の気管支は被包性胸水により圧排され内側に偏位し, 粘膜は軽度に発赤腫脹していたが, 擦過細胞診は陰性で炎症性変化と考えられた。本症の病因は未だ解明されていないが, この症例においては被包性胸水の圧排によると思われる慢性炎症が本症の発生に関与している可能性が考えられる。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1985-03-25

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