下部気管, 気管分岐部, 主幹狭窄に対するロング T チューブ主幹挿入による気道確保

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概要

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肺癌により下部気管・気管分岐部から主幹にかけて狭窄をきたし呼吸困難を訴えた5症例に対してシリコン製ロングTチューブを用いて気道を確保した。4例ではTチューブ挿入前に狭窄部位を越えた挿管などの気道確保を要した。4例ではTチューブの肺側端を左主幹に, 1例では右主幹に位置させた。3例では対側主幹起始部に一致してTチューブに側孔をあけ対側の換気及び分泌物の排出をはかった。Tチューブ挿入12日から5ヵ月で全例癌死したが, いずれの症例も死亡まで経口摂取, 発声は可能で, 3例では1ヵ月から2ヵ月間自宅での生活が可能であった。全身状態が悪化してからはTチューブの垂直脚は痰の吸引や酸素の投与経路として利用した。悪性腫瘍による気道の長軸方向に進展する可能性のある気管分岐部付近の狭窄には, ロングTチューブ主幹挿入による気道確保は有用な方法であると考えられた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1997-09-25

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