気管支鏡下に鉗除し得た気管支内過誤腫の 1 例

元データ 1990-03-25 日本呼吸器内視鏡学会

概要

77歳, 男性。主訴は湿性咳嗽。胸部レ線では両肺野の過膨張の他に異常を認めなかったが, 気管支鏡で右上葉支入口部に白色で光沢のある分葉状ポリープ様腫瘍を認めた。腫瘍は硬かったが鰐口鉗子による2回目の生検で可視範囲の腫瘍がほとんど出血を伴わず完全に鉗除され, 自覚症状は改善した。病理診断は非軟骨性過誤腫であった。本例を含む気管支内過誤腫の本邦報告例45例中34例で開胸手術が行われ, その内訳は葉切除術25例, 区域切除術2例, 腫瘍摘出術7例と葉切除例が多い(他はレーザー治療5例, 鉗除2例(含本例), 記載なし4例)。しかし本症では悪性化の報告はなく, 無気肺や肺炎による末梢肺の二次的変化が軽度であれば治療は通常腫瘍摘除で十分であろう。本症では腫瘍の硬さ, 進展様式などから気管支鏡下生検や鉗除は困難とされているが, 本例のように幸運にも生検で組織診が確定しかつ鉗除で十分な気道開通が得られた場合には経過観察のみでよいと思われる。

著者

新実 彰男 京都大学胸部疾患研究所および協力施設
鈴木 雄二郎 日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器科
西山 秀樹 日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器科
鈴木 雄二郎 和歌山赤十字病院呼吸器科
杉田 孝和 和歌山赤十字病院呼吸器科
堀川 禎夫 和歌山赤十字病院呼吸器科
西山 秀樹 和歌山赤十字病院呼吸器科
前川 暢夫 和歌山赤十字病院呼吸器科
小林 秀机 京都大胸部研第1内科
前川 暢夫 和歌山日赤呼吸器内科
小林 秀机 和歌山赤十字病院呼吸器科, 他7施設
南方 良章 和歌山県立医科大学第3内科
小林 秀机 和歌山赤十字病院 呼吸器科
杉田 孝和 日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器内科
杉田 孝和 和歌山赤十字病院内科
南方 良章 和歌山県立医科大学医学部内科学第三講座
南方 良章 和歌山県立医科大学 医学部内科学第三講座
新実 彰男 京都大学胸部疾患研究所

関連論文

▼もっと見る