近傍個体の交叉に基づく多目的遺伝的アルゴリズムとその応用に関する研究(創発システム)(<特集>人工知能分野における博士論文)
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概要
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本論文では,異なった種類の実問題に対し高い性能をもつ汎用多目的遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)の提案とその有効性の検証を行ったまず,本論文では,汎用多目的GAとして,近傍培養型GA(Neighborhood Cultivation GA:NCGA)を提案している.NCGAは従来手法が有する解探索メカニズムに加えて,近傍交叉メカニズムを有する.近傍交叉では,目的関数空間において隣り合う二つの個体を用いて交叉を行う.幾つかの代表的なテスト問題を用いた数値実験より,従来手法に対するNCGAの優位性を示すことができた.次に,NCGAの有効性を検討するために,ディーゼルエンジンの噴射スケジュール最適化と複数の矩形ブロックを最小面積で配置する矩形パッキング最適化という二つの実問題に対するNCGAの適用を試みた.ディーゼルエンジンの噴射スケジュール最適化では,燃費,窒素酸化物(NO_x)排出量,すす排出量の3目的最適化問題として定式化した.この問題に対してNCGAを適用した結果,燃費率,NO_x,すすの噴射率特性および,それぞれのトレードオフの関係を見つけることができた.また,矩形パッキング最適化では配置面積の縦・横の長さを目的とする2目的最適化問題として定式化し,扱うブロック数の異なる四つの問題に対して従来手法との比較実験を行った.実験結果より,NCGAはすべての問題において最良の結果を得ることができた.また,得られた解の実際のレイアウト図について見た結果,得られた解は隙間の少ない妥当なものであることが分かった.
- 社団法人人工知能学会の論文
- 2004-01-01
著者
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