World Wide Webアクセスにおける探索構造 : インターネット探索行動圏概念構築に向けた研究(知識情報インフラストラクチャ)(<特集>人工知能分野における博士論文)
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概要
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本研究の目的は,IT経済で語られているように本当に「インターネットは時間と空間の壁を克服した効率的な場である」のかという命題を検証することである.そのためにWeb探索における探索距離構造を明らかにし,Web探索グラフの特徴的な構造とユーザ探索行動の合理性について議論を展開した.まず,アクセス行動を定量的に扱うために機会費用としての探索コストに着目し,コンテンツトランザクションという概念を用いて「コンテンツ探索距離」を新しく定義し,探索コストとして計算する手法を新しく提案した.そして,実際のアクセスログデータをもとにWeb探索空間交流を示すグラビティモデルを構築し,コンテンツ探索距離がインターネットでのコンテンツ探索行動における距離の壁となり,Webページリンクの空間構造が探索空間の壁となっていることを確かめた.次に,探索構造を形成する要因を考察するために,Web探索グラフの物理的な特徴を調べ,Web探索グラフの直径は比較的小さく,少ない探索コストでコンテンツにたどり着けるスモールワールドを形成していることを確かめた.さらに,ユーザ探索行動の要因として,情報採餌行動モデルにおける単位時間当たりの獲得情報量を最大化する探索コスト戦略の合理性を検討した.最後に,コンテンツ探索距離を距離概念としたインターネット探索行動圏構造を構想し,その研究課題を展望した.
- 2004-01-01
著者
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