探索オペレータの機能分担を考慮した進化型計算による最適化(問題解決手法)(<特集>人工知能分野における博士論文)
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概要
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進化型計算は, 高い性能を示すことがある一方, 世代交代モデルや探索オペレータの設計に失敗するとランダムサーチ程度の性能しか示すことができないことが知られている.そのため, 優れた探索性能を実現する進化型計算の設計論が求められている.本研究では, 形質遺伝性の観点に基づいた探索オペレータの機能分担に着目し, 適応的で効率的な探索をする進化型計算のための探索オペレータの設計方法とそれらを利用した探索手法の提案を行っている.提案している探索手法は, 交叉により親個体集団の周囲に少数のサンプル点をとることにより周囲の探索空間の景観を推測し, その後突然変異により, より密に探索すべきであると判断された領域を集中的に探索し, 適応的で効率的な探索を行うものである.提案手法では世代交代モデルに関しても工夫が加えられている.従来までは, 世代交代モデルの多様性維持能力の評価として, 個体レベルでの多様性維持能力や適応度分布の分散値などが重視されていたが, 本手法では, 形質レベルでの多様性維持が重視されており, これが確実に行えるように考慮されている.提案手法を代表的な組合せ最適化問題および関数最適化問題に応用したところ, 提案手法は安定して高い性能を示し適応的な探索を行っていることが確認された.また, 進化型計算の交叉は, サンプリング・バイアスと呼ばれる交叉オペレータによるサンプリングの偏りにより探索空間の境界付近の探索能力が低いことが知られているが, 探索空間をトーラス状に変換することにより探索の偏りをなくす手法を提案し, 計算機実験によりその効果を確認した.
- 社団法人人工知能学会の論文
- 2001-11-01
著者
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