分散知能論による組織ナレッジマネジメントに関する研究
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概要
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本論文では, ナレッジマネジメントの推進手法や情報技術の活用方法を検討する.特に, 計算組織理論の観点から, 組織の知的活動(特に, 知識共有)をモデル化し, 知識を持つ実体が分散して協調する2つのモデルを構築する.1つめの「ナレッジチェーンモデル」は, 知識移転/共有によるスループット向上を表現することを目的とし, 2つめの「分散意思決定学習モデル」は, 集合的な意思決定での質とその向上(学習)について考察することを目的とする.これは, ナレッジマネジメントの効果として, スループット向上と意思決定の質の向上の二つが重要であるという観点から, 企業内知識に関する量と質という二つの面の研究を通して, ナレッジマネジメントの理解を深めることを目標としたためである.ナレッジチェーンモデルでは, ロジスティクスの考え方をベースに, モノの流れの代わりに知識を伝達するモデルを構築した.知識が組織全体のスループットにどう影響するかを表現するためのシミュレーションを行った.特に, コード化戦略での知識共有による増幅効果と人的資源の制約との関係に着目した.分散意思決定学習モデルでは合成論的アプローチを採り, マルチエージェント学習による環境変化に対する適応性を検証した.また, 分散意思決定学習モデルについては, 適応的な特徴を活かして, 協調問題解決の手法として利用できないかの検討を行った.最後に, それらのモデル構築やシュミレーションの結果に基づき, ナレッジマネジメントの問題を考察した.
- 社団法人人工知能学会の論文
- 2000-11-01
著者
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