ペクチン分解物の抗菌作用 : 日本産ぶどうとワインの色調と呈味成分に関する化学的研究 (第18報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Grape pectin from Koshu grape skins and commercial lemon pectin were hydrolyzed with a commerical pectic enzyme. The antibacterial activity of the hydrolysates against Escherichia coli, Bacillus subtilis, Pseudomonas aeruginosa, and Staphylococcus aureus was investigated at pH 5.0 with culture media containing varios concentrations of the hydrolysates (0.5 to 2.0%). While the undegraded pection and galacturonic acid had no antibacterial activity against any of the bacteria tested, the hydrolysates showed clear activities, sppressing completely the growth of the bacteria in media containing 2% of hydrolysate for up to 4 days after inoculation. When ethanol and either of the pectin hydrolysates were present together, they increased each other's antibacterial activity. The pection hydrolysates were chromatographed on Bio-Gel P-2. The elution patterns of the two hydrolysates, while different, indicated that both contained a high proportion of oligosaccharides (about 87% of the total). The lemon pectin hydrolysate was separated into four fractions, F1,F2,F3,and F4,by this chromatography, and the antibacterial activity of their lyophilisates on E. coli was tested. F1,which was eluted in the void volume, was obtained as a colorless powder with no antibacterial activity. F2,which was eluted second, was also obtained as a colorless powder. Of the four fractions, the yield, the percent esterification, and the antibacterial activity of F2 were the highest. F3 and F4,were obtained respectively as (pale) brown and rock salt- or caramel-like lyophilisates. F3 contained about 40% of neutral sugars, but F4 contained very little.These results indicate that the pectin hydrolysates contained antibacterial substances whose antibacterial activity seems to be due to free undissociated carboxyl groups and methyl esters bonded to carboxyl groups of polygalacturonic acid chains. Neutral Ssugars in the pectin hydrolysates may also affect the antibacterial activity.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1984-01-25
著者
-
稲峰 成男
アサマ化成
-
横塚 弘毅
山梨大学発酵化学研究所施設
-
横塚 弘毅
山梨大学工学部
-
櫛田 忠衛
山梨大学発酵化学研究施設
-
松土 俊秀
山梨大学発酵化学研究施設
-
中島 智恭
アサマ化成株式会社
-
中島 智恭
アサマ化成
-
中島 智恭
Asama Chemical Co. Ltd.
-
松土 俊秀
山梨大学大学院医学工学総合研究部・ワイン科学研究センター
関連論文
- 432 33ぶどう品種から分離した種子および果皮ポリフェノールの組成
- パプリカ種子抗菌性物質添加によるスパークリングワインの二次発酵の停止
- ブドウのスチルベンシンターゼ遺伝子プロモーター配列の品種間比較
- キチンオリゴ糖を塗布したブドウ葉におけるリスベラトロール誘導とスチルベンシンターゼ遺伝子の発現
- セミヨン果汁へのペクチナーゼ添加がワインの多糖成分に与える影響
- フォーリン・シオカルト法を用いた逆相系高速液体クロマトグラフィーによるフェノール化合物の分析--フェノールとフォーリン・シオカルト試薬との反応条件の至適化(Technical Brief)
- ハンディー酸度計を用いたブドウ果汁とワインの酸度の簡易測定とその信頼性
- 水, エタノールのγ線照射分解生成物による甲州ワイン中の油状褐変物質の褪色 : 日本産ブドウとワインの色調と呈味成分に関する化学的研究(第5報)
- ブドウ酒中の褐変物質に対するγ線照射の影響
- ブドウ果実の成熟にともなう各種グリコシダーゼ活性の変化
- 日本産及びタイ産ブドウから製造した白及び赤ワインのpHとそれに関連した化学成分及び赤色色素パラメ-タとの関連
- ブドウ果実成熟中の可溶性多糖の変化
- カベルネ・ソービニヨンとマスカット・ベリーAブドウからのブラッシュ・ワインの製造
- 異なった濁りを持つ甲州マストを用いた白ワインの醸造
- カ-ボニック・マセレイションによる未熟甲州種とカベルネ・ソ-ビニヨン種ブドウ,および野生ブドウからのワインの醸造
- 高Ala, Arg型ヒストンの一次構造
- ペクチン分解物の抗菌作用 : 日本産ぶどうとワインの色調と呈味成分に関する化学的研究 (第18報)
- 469 甲州と竜眼ぶどうのアントシアニン及びその他のフェノール成分について
- 468 蛍光法によるプロリン定量の自動化
- ぶどうマスト中のポリフェノ-ルオキシダ-ゼ活性
- 日本各地より集めたワインの一般分析
- 紫外吸収検出法を用いた高速液体クロマトグラフィ-による有機酸分析のためのワイン試料の前処理
- 359 プロリンの個別定量 : ワイン中のプロリンの高感度分析
- 228 ぶどうペクチン分解物の抗菌性
- 銅塩法によるワイン及びぶどう果汁中のペプチドの簡易・微量定量
- 122 甲州種白ワインからのフラボノイド-非フラボノイド型フェノール複合体の分離とその性質
- 127 甲州種白ワインから分離したフラボノイドポリマーの不均一性.
- 120 Streptomyces murinusの生産するワイン酵母溶解酵素について
- 117 溶媒抽出法による白ワインからポリフェノールの分離
- 日本産ブドウとワイン中の遊離アミノ酸とペプチド : 日本産ブドウとワインの色調と呈味成分に関する化学的研究(第3報)
- 甲州種白ワインのペプチドの分離とその構造 : 日本産ブドウとワインの色調と呈味成分に関する化学的研究(第4報)
- Streptomyces yatsugatakensis to Gliocladium virensの生産する酵母細胞壁溶解酵素の諸性質 : 微生物の生産する酵素による酵母細胞壁の溶解に関する研究
- 酵母細胞壁溶解酵素生産菌の分離と同定 : 微生物の生産する酵素による酵母細胞壁の溶解に関する研究
- 甲州種味なし果より試醸したワインのフェノ-ル組成と褐変性について
- 甲州種白ワインのプロファイル分析による品種特性の研究
- 甲州種白ワインのフェノ-ル性化合物の組成
- Polyvinyl-Polypyrrolidone処理した甲州種白ワイン中のフェノ-ル試薬陽性物質
- カベルネ・ソ-ビニヨン及びマスカット・ベリ-A赤ワインの熟成中における色調の変化-3-赤ワインの有機溶媒抽出による4つの色素画分の分別と得られた画分のpH変化及び亜硫酸に対する感受性
- カベルネ・ソ-ビニヨン及びマスカット・ベリ-A赤ワインの熟成中における色調の変化-2-赤ワインのイソアミルアルコ-ル抽出で水層に残った色素ポリマ-画分の性質
- カベルネ・ソ-ビニヨン及びマスカット・ベリ-A赤ワインの熟成中における色調の変化-1-色素パラメ-タのスペクトル分析
- 230. ワインの混濁におけるブドウ果汁タンパク質と種子フェノールの役割
- 化学修飾によるブドウ果実インベルターゼの活性に必須な活性部位残基の推定
- 清見およびZweigelt rebe ブドウ・ワイン中のアントシアニンの分析
- ブドウ果実中の不溶性インベルターゼの発現と分布 : 活性染色を用いたインベルターゼ活性の検出
- -バイオリアクタ-を用いた高酸度ブドウ果汁の発酵について : 山梨大学-北海道池田町共同研究
- 余剰テーブルワインと圧搾赤ブドウ果皮を利用したブランディー用グレープ・スピリッツの製造
- 446 ブドウ種子中のフェノールとアミノ酸のモデルワインへの移行
- 219 モデルワイン中におけるブドウ種子フェノールと果汁タンパク質の相互作用
- 210 マスト及びワイン成分に及ぼすブドウ圧搾時の"もみがら"添加の影響
- 32ブドウ品種の種子及び果皮から分離したフェノ-ル化合物のペ-パ-クロマトグラフィ-
- 熱殺菌及び除菌工程不要な純粋培養法の開発(第2報)(生物化学工学-固定化微生物, 培養工学-)
- 525 抗微生物性物質に対する防御機能を備えたバイオリアクターの利用
- パプリカ種子由来の抗菌性物質の性質 : 食品
- 328 タイ産ワインの化学成分組成
- ゼラチン/コラ-ゲンとタンニンの相互作用
- ワインの味とにおい(2)
- ワインの味とにおい(1)
- 赤ワインブームは科学的に立証できるか?(酒類研究の魅力)
- 唐辛子抽出物の抗菌効果 (特集 食品の品質を守る天然成分)
- S22 ワインのアミノ酸, ペプチド及びタンパク質の起源
- ワインの品質とフェノール化合物
- マスカット・ベリ-A赤ワインの熟成中に形成された澱中のタンパク質画分の組成
- 425 赤ワイン中の可溶性糖タンパク質の分離とその化学的性質
- 352 コポロールV-300と低分子ゼラチンペプチドによるワインの清澄化
- 351 種々のフェノールに対するポリフェノールオキシダーゼ(PPO)の活性
- 国産キウイフルーツワインの製造に関する研究 : IV. 固定化酵母と新規抗酵母性物質を用いたキウイフルーツスパークリングワインの製造
- 鮭白子から抽出した塩基性ペプチドの抗菌性
- 日本各地より集めたワインの有機酸,フェノ-ル,糖及びアミノ酸分析
- 231. 収穫期の異なるキウイフルーツから調製した果汁及びワインのアミノ酸組成
- 紫外吸収法と指示薬発色法の同時検出を用いた高速液体クロマトグラフィ-によるワイン中の有機酸分析
- 427 異なった濁りを持つ甲州マストを用いた白ワインの醸造
- 加熱ブドウ酒中の褐変物質の分離精製
- マスカット・ベリーA赤ワインの各製造段階での可溶性タンパク質の分離
- ワインから分離した産膜酵母に対するパプリカ種子抽出物の抗菌性
- トウガラシの超臨界炭酸ガス抽出残渣から抽出した抗菌画分の食品保存への利用
- オリゴ糖を添加したキウイフルーツジュースから製造したワインの特徴
- キウイフルーツワイン発酵中の有機酸及びフェノール酸の変化
- マスカット・ベリーA赤ワインの熟成中に形成された澱中のタンパク質画分の組成
- カリフォルニア大学デイビス校
- カベルネ・ソービニヨン及びマスカット・ベリーA赤ワインの熟成中における色調の変化 : III. 赤ワインの有機溶媒抽出による4つの色素画分の分別と得られた画分のpH変化及び亜硫酸に対する感受性
- 山梨大学発酵化学研究施設の概要
- カベルネ・ソービニヨン及びマスカット・ベリーA赤ワインの熱成中における色調の変化 : II. 赤ワインのイソアミルアルコール抽出で水層に残った色素ポリマー画分の性質
- カベルネ・ソービニヨン及びマスカット・ベリーA赤ワインの熟成中における色調の変化 : I. 色素パラメータのスペクトル分析
- 梅漬けから分離した産膜酵母に対するユッカ抽出物の抗酸性
- 梅漬けから分離した産膜酵母に対するユッカ抽出物の抗菌性