レーザードップラー効果による時計機構の動的測定
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概要
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本論文はマイクロステップモーターやその他の精密機構の動的特性をドップラー技術を用いて測定する新しい方法を提示したものである。研究結果に基いて「レーザー・ドップラー効果利用のステップモーター動的特性測定システム」が開発された。これは2ビーム後方散乱式ビート・ドップラー測定装置である。PIN検波器で受けられた周波数は被測定物体の角速度に比例する。こうしてマイクロコンピューターから被測定機構の特性曲線を得ることができる。このシステムを用いてわれわれは水晶時計や機械時計などいくつかの時計の動的特性の測定を行った。それらの結果は満足すべきものであり, それらの理論的解析結果とよく合致した。これは一歩進んだ非接触型動的測定方法の一つである。測定に先立って, 被測定機構についての特別な準備は何一つ要らない。測定結果はその機構の実際の運動を完全に表すことが出来る。結果から得られる曲線群は高精度であり定量的である。この方法はさらに他の微細機構の測定に応用することもできる。従ってこれは有用であり将来性のある測定方法の一つと言えよう。
- 社団法人日本時計学会の論文
- 1986-09-20