仮想計算機システムにおける論理プロセッサをスケジュールする新方式の開発と評価
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
仮想計算機システム(VMS)は,1台の実計算機システム下で,複数台のOSを同時に動かす.仮想計算機(VM)は,該実計算機と同等のアーキテクチャを有する論理的な計算機である.各VMは,1台または複数台の論理プロセッサを持つ.ハイパバイザは,VMS全体を制御するソフトウェアで,論理プロセッサをスケジュールする.従来ハイパバイザは,それへの割込み(ホスト割込み)を契機として,待ち状態の論理プロセッサに当該割込みを報告し,その状態を実行可能状態に変える.このような従来のスケジューリング方式においては,上記割込みシミュレーションのオーバヘッドが大きくなり,VMモードとネイティブモードとの間の移行オーバヘッドが大きくなるという問題点がある.本論文は,この問題点を解決するために,待ち状態の論理プロセッサに関して新しいスケジューリング方式を提案する.すなわち,ハイパバイザに割込みを発生させることなく,割込み要因を検出し,それを検出したときに該当待ち状態論理プロセッサをスケジュールする方式を与える.また,ハイパバイザは負荷がなくなったとき待ち状態の論理プロセッサを探索し,ホストI/O割込みを発生させることなく負荷を検出する.これによって上記問題点を解決しVMSの性能を負荷のCPU利用率が低いときも,高いときと同様に,ほとんどネイティブ性能に近くなるまで向上させることができた.
- 2003-03-15
著者
関連論文
- A-9 複数NICを用いた通信負荷分散によるバンド幅性能向上と並列処理への効果(PCクラスタ,A.アルゴリズム・基礎)
- 疎結合マルチプロセサシステム用 OS テスト支援システム: OSTD/MV
- 仮想計算機システムにおける論理プロセッサをスケジュールする新方式の開発と評価
- 仮想計算機システムにおける拡張記憶制御方式の提案
- 仮想計算機システムの高性能化方式
- 仮想計算機システムにおけるI/O直接実行方式の提案
- 仮想計算機システムにおけるI/O直接実行方式の評価
- 欠測データ集合を扱う神経回路網法 CQSAR : Compensation Quantitative Structure-Activity Relationships の開発
- ループ内条件分岐排除に関する新方式の提案と評価
- 「超」情報システムをめざそう : 多様性と複雑性への挑戦
- システム障害回復技法 (高信頼化技術)
- ループ内条件分岐排除に関する新方式の提案と評価