コンピュータの電源システムにおけるバッテリー容量の信頼性評価

概要

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コンピュータ・システムの使用信頼性向上問題は,通常,環境・保全・運用の3つに大別して考察されているが,いわゆる電源システムの安定性の問題は,環境信頼性向上問題における基本的な課題である.わが国の商用電力の質は,諸外国に比べ極めて高いレベルにあるが,雷発生期における瞬断や瞬時電圧低下は頻繁に発生しており,また比較的長時間の一般停電も頻度は少ないが発生しているのが現状である.このため,主要コンピュータ・システムにおける供給電源は,一般商用電源の障害時に対応して,バッテリーや自家用発電機などの予備電源を確保することにより,その安定性を保障している現況にある.ここでは,電源システムにおける一般停に関して,信頼性と経済性の問題を考察する.すなわち,コンピュータ・システムの電源が,通常の商用電源の障害時に,バッテリーおよび予備発電機によってバックアップされる信頼性モデルを設定する.そして,コスト有効性の考え方を導入してコスト/アベイラビリティ比を求め,それを最小にする最適なバッテリー容量の大きさを議論し,数値例による考察と評価を行う.
一般社団法人情報処理学会の論文
1991-04-15