句構造文法に対する効率的文解析手法
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概要
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本論文では,一般の句構造文法(チョムスキーのO型,1型文法をベースとする論理文法)に対する効率的な文解析手法について述べる.この方法は,限定文脈依存文法(RCSG)を受け入れるYAPXR文解析システムを拡張することによって得られる.したがって本方式は,YAPXRと同様に横型トップダウン手法に基づいており,かつまた,YAPXRの特性を継承して効率の良い文解析を行うことができる.日本語のように語順が自由で省略の多い言語の場合,文節レベル以上の文構造に対して,文脈自由文法ベースの記述形式は必ずしもしっくりしない面がある.すなわち,文節間の係り受けの特徴を統語的事象として捉える立場をとると,むしろ上位レベルの文法の方が文脈自由文法ベースよりも素直に日本語の規則を記述することができる.一方ギャップ文法も,語順の自由な言語を扱えるが,性能に問題がある.本方式はこれに対して,文法が与えられた時点であらかじめすべての位置集合が求められれば,YAPXRと同様に核位置方式により,そうでない場合も擬似核位置方式によって,効率的な文解析を行うことができるので,この種の言語に有効な手法であると考えられる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-12-15
著者
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