イチゴ黒斑病菌 (Alternaria alternata strawberry pathotype) の生成する宿主特異的毒素 (AF-毒素) に関する研究 : (2) 感染過程におけるAF-毒素の役割
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
イチゴ黒斑病菌 (Alternaria alternata strawberry pathotype) の生成する宿主特異的毒素 (AF-毒素)が, 本菌の初期感染過程において果たす役割について検討した。本病菌分生胞子は, その発芽直後からAF-毒素を放出し, その量は時間とともに増加した。一方, 本病菌胞子を盛岡16号イチゴおよび二十世紀ナシ葉に噴霧接種すると, 感染に伴って, 接種葉から電解質の異常漏出が認められた。電解質の異常漏出は, 本菌の感染成立以前と成立後の2つの異なる時期に認められた。前者は胞子の発芽直後に放出されるAF-毒素に起因し, 後者は宿主組織に侵入した菌糸によるAF-毒素に起因し, 共に宿主の原形質膜に障害を与えることを示唆した。感受性イチゴおよびナシ葉を予めAF-毒素で処理しておくと, 非病原性A. alternataの感染を誘導した。一方, 本菌の胞子発芽液の高分子分画 (inducer) で前処理した感受性葉では病原性A. alternataの感染を抑制した。しかし, AF-毒素と inducerの両者を処理した場合には, inducerによる感染の抑制力号忍められなかった。以上の結果から, イチゴ黒斑病菌はその胞子発芽時に放出するAF-毒素によって, 宿主細胞に誘起する原形質膜機能の損失を通じ,葉中に存在する抵抗反応の発現を抑制し, 菌を感染に導くものと推察した。
- 1984-12-25
論文 | ランダム
- 資料 監査・会計 会計制度委員会 金融商品会計に関する実務指針(中間報告)及び金融商品会計に関するQ&Aの改正
- 資料 監査・会計 会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針(中間報告)」の一部改正について(公開草案)
- 資料 監査・会計 会計制度委員会 為替換算調整勘定の資本の部計上に伴う税効果会計適用上の留意事項及び会計制度委員会報告第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」の一部訂正について
- 座談会 平成10年度法人税法改正と中間決算--監査上の対応をめぐって
- 第14回アジア・太平洋会計士連盟《CAPA》クアラルンプ-ル大会