テンサイ花器(球果)に対する炭そ病菌の感染過程
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概要
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テンサイ花器に対する炭そ病菌の感染過程を光学および走査型電子顕微鏡で観察した。宿主への侵入はクチクラ貫入により接種後3〜4日目に起こった。菌糸は細胞間および細胞内を伸長し, 接種後5日目には病斑が形成された。開花初期に本菌に感染すると菌糸は未熟な〓蓋などから容易に侵入でき, 細胞内に充満した。激発すると菌糸はさらに生育を続け〓蓋と果皮にとり囲まれた真正種子の内部にまで到達し, 結実を妨げた。開花後期に感染した場合は, 菌糸は球果表面に多くみられたが, 内部ではほとんど観察されず球果は結実した。しかし〓蓋自然開口部周辺や真正種子の種皮下に少数の菌糸が観察され, 本菌は感染時期をとわず球果内部に侵入していることが確認された。以上の結果から, テンサイ炭そ病菌は種子伝染性であると判定された。
- 日本植物病理学会の論文
- 1989-10-25
著者
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