うどんこ病罹病オオムギ葉上における種々のうどんこ病菌の生育
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概要
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オオムギうどんこ病菌の若い菌叢を, 水に濡らした脱脂綿でこすりとったオオムギの葉に, コムギ, カモジグサのうどんこ病菌, キュウリ, カラムシなど49種の双子葉植物のうどんこ病菌を接種して発育を調べた(菌叢をこすりとると, 菌糸からちぎれて吸器が表皮細胞内に残るが, この吸器は長期間生存する)。その結果51のうどんこ病菌の中で30は分生胞子を形成し, 15は分生胞子を形成しなかったが菌糸を伸ばした。ただし, これらの菌の発育は, こすりとったオオムギ菌の菌叢のすぐ近くだけでみられた。発育程度はうどんこ病菌により様々であったが, コムギ, カモジグサ, キュウリ, ホウズキなどの菌の発育は最もよく, 菌糸の伸長, 分生胞子の形成状況は, 少なくも接種後6日目までは, それぞれの本来の寄生植物上における場合に比べて劣らないと思われる程であった。オオムギ葉上で全然または殆んど発育しなかったものは, ミチヤナギ, シラカシ, キリなどの6菌だけである。自然に発生しているうどんこ病菌の菌叢をこすりとったオオバコ, クコ, マサキ, バラ, ソバの葉に, 種々のうどんこ病菌を接種した場合にも, 発育程度は様々であるが, 発育することが多かった。たとえば, オオバコの葉にキュウリ, ホウズキ, ニワトコの菌が, クコの葉にキュウリ, ソバ, オオムギの菌が発育して分生胞子を形成した。しかしソバの葉にはキュウリの菌もオオムギの菌も発育しなかった。
- 1973-12-25
著者
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