自殖によって誘導された Pythium splendens の交配型の変化
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概要
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Pythium splendensの(+)型と(-)型の分離株をポリカーボン膜の表裏に接触させて培養すると, (+)株側では自殖により卵胞子が形成されたが, (-)側では形成されなかった。この方法により, (+)株側では形成された卵胞子の後代の交配型を検定した結果, ほとんどの株でもとの(+)型に加え, 正反対の(-)型も出現することが明らかになった。さらに自家和合性の(±)型や無性の(0)型も検出された。(±)株の自家和合性の性質は不安定で一時的であり, 無性生殖によリ(+)型と(-)型に分離した。本実験より, 自殖は, 異なった分子配列により交配型の表現を制御しているレプレッサーの機能を変えることによって, 交配型を変化させたのではないかと想定される。
- 日本植物病理学会の論文
- 1996-02-25
著者
-
KO Wen-Hsiung
Department of Plant Pathology, Beaumont Agricultural Research Center, University of Hawaii at Manoa
-
Guo Li-yun
Department Of Plant Pathology Beaumont Agricultural Research Center University Of Hawaii:(present Ad
-
Ko Wen-hsiung
Department Of Plant And Environmental Protection Sciences Beaumont Agricultural Research Center Univ
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