樹木内部の繊維配向性モデルと木目テクスチャ生成における質感表現(<特集>グラフィクスと画像コンテンツ生成の新展開)
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概要
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木目模様は最も代表的なテクスチャの1つであり, コンピュータグラフィクスによるソリッドテクスチャ生成技法も種々報告されている.従来の技法では木目の年輪模様の再現に注力されてきたが, 年輪以外の微細組織の表現や繊維の流れに関する研究は少なく, 得られる質感は十分ではなかった.本論文では樹木の内部構造に着目し, 木理と呼ばれる樹木内部の繊維配向性をモデル化する.代表的な木理のパターンと一般的な木理の記述手法を示した後, レンダリング時に必要な局所的な座標変換に基づいたモデルを示す.次に微細組織の例として道管と呼ばれる鉛直な組織について, 代表的なパターンのモデリング技法を示し, 呈示した座標変換を作用させて表示することで, 木理のモデルの妥当性を検証する.続いて微細組織の簡易的な表現として提案されている明度シフト法を, 年輪構造と微細繊維組織を一元的に記述する手法として一般化し, 木理による座標変換を作用させることにより, 樹木構造の合理的な記述手法を提案する.最後に繊維の勾配に依存する鏡面反射モデルを導入し, 木理の影響で材面に現れる光源と視点に依存する反射現象をシミュレーションする.これらの手法を導入することで, 従来法よりもリアルな質感表現が可能になり, CG映像や産業デザインにおいて有用な品質高いソリッドテクスチャを生成することが可能な技法を示すことができた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2000-03-15
著者
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