状況論的アプローチによる情報教育のための協同学習環境のデザインと評価 : プログラム対戦ゲーム「アルゴアリーナ」の開発と実践
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概要
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プログラミングの導入レベルから反復や条件分岐などの基本的制御構造を使いこなせるレベルまでの初歩的アルゴリズム教育の支援を想定した相撲対戦シミュレーションゲーム「アルゴアリーナ」を開発した. 学習者は力士の挙動や戦略をプログラム言語で記述し, 他者のプログラムした力士と対戦させる. 1つで多くの相手に勝てるような強く柔軟な力士を作るためには, 高いプログラミング技能が要求されるので, ゲームを楽しみながらプログラミングを学習することができる. しかも, 学習者が行うのは, 状況分析, 問題設定, 評価などを含むトータルな問題解決活動であるため, 包括的なプログラミング技能の向上が期待できる. 本システムの特徴は, 状況的学習理論に基づき, 対戦ゲームという社会的状況設定を利用して, プログラミングを実践する学習のコミュニティを構築し, それへの参加による学習を実現するために, 学習者のコミュニテイの創造・維持を志向した学習環境デザインを行っていることである. 授業実践を2つの公立中学枚で行った結果, アルゴリズムの基本的制御構造が学習できていることが明らかになった. さらに, 特定の生徒を授業全体にわたってビデオ録画し, エスノメソドロジー的観点から言動を分析することによって, 学習者が次第にプログラマ的アイデンティティを発達させていることが明らかになった. これは「コミュニティへの参加による学習」が生起していることの証左となる.
- 1999-05-15
著者
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井出 有紀子
日本電気株式会社 共通基盤ソフトウェア研究所/ヒューマンインタフェースセンター
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加藤 浩
日本電気株式会社C&Cシステム市場開発推進本部
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鈴木 栄幸
日本電気株式会社C&Cシステム市場開発推進本部
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井出 有紀子
日本電気株式会社c&cメディア研究所
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