文字認識精度推定による確認修正手段の選択とその効果
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概要
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文字認識技術は, 手書き文書を入力するための有効な方法として期待されている. しかし, 従来の入力方式のように, 認識誤りの多い文書に対して確認と修正を繰り返すのみでは, 入力に要する作業の効率は低下する. 一方, 確認修正手段の適用法の改善等により, 作業効率の向上が可能となる場合もある. そこで本論文では, 文字認識率等の認識精度と, 文字認識後の文書を修正する場合の作業効率との関係に着目し, 認識精度に応じて最も効率の良い確認修正手段を, 複数の手段の中から自動選択する入力方式を提案する. 本方式により, 任意の認識精度の文書に対して効率的な入力が可能であることを示す. まず, 認識精度ごとに最大入力効率を示す確認修正手段を, 測定によりあらかじめ認識精度と対応づけておく. 入力効率として, たとえば, 単位時間あたりの入力可能文字数を表す入力速度を想定する. 次に, 得られた対応関係を参照して, 文書の文字認識結果に基づいて推定された認識精度から, 入力速度が最大となる確認修正手段を自動選択する. 入力作業は, 提示された確認修正手段に従って行う. 手書き文書を対象とした実験により, 従来のような単一の確認修正手段を用いた入力方式と比較して, およそ30%の入力速度向上という結果が得られ, 提案方式の有効性を確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1999-04-15
著者
-
中村 修
Nttサイバーソリューション研究所
-
松村 季樹
NTTインテリジェントテクノロジ株式会社
-
小林 公知
NTTアドバンステクノロジ株式会社
-
小倉 健司
NTTインテリジェントテクノロジ株式会社
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