感性語による画像検索とその精度評価 (<特集>人文科学とコンピュータ)
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概要
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感性語を検索入力として, 花やブラシペイント画像を検索する感性検索システムの開発と評価について述べる. 感性語はシステムが内蔵する, 感性語と配色パターンの対応テーブルによって, 配色パターンに変換され, 各画像から抽出された代表色パターンとの間で類似度計算をして, 類似度順に検索結果を出力する. 検索精度評価においては, テキスト検索で確立されている検索精度評価方法を使用するなどして評価方法を客観的, 数値的なものとした. つまり, 評価用の検索対象画像として, 花の写真100枚, ブラシペイント画像100枚の合計200枚を準備して, これらに対する検索要求と個々の検索要求に対しての評価用正解データを作成して, 画像検索を行ったのち, これらの精度評価用データを使用して検索精度の再現率・適合率の評価を実施した. 本論文での新規な結果としては次のとおりである. (ア) 花, ブラシペイント画像を検索対象として, 今回作成した評価用正解データベースを使用して検索精度評価をした. 従来は, 本論文で示したような評価用正解データベースを用いての検索精度評価はなされていなかった. (イ)感性語とそれに対応する検索正解画像の色解析結果から, 感性語ごとに, 検索における感性語と色相・彩度・明度の関係を明らかにした。この関係を正解特徴量分布としてまとめた。また, この正解特徴量分布は離散データであるので, 近傍のデータの影響を計算して連続データに補正した。この補正したデータを領域重み分布データと呼ぶ。従来は, 画像と感性語の間の関係をアンケートデータを基にして感性語をベースとして分析したり, 画像からの代表色抽出のために色相のみのヒストグラム分析をした報告はあったが, 感性語と色相・彩度・明度との関連性を上記のような評価用の正解データに基づいて詳細に分析した報告はなかった。(ウ) 検索のための類似度の計算において, 上記の領域重み分布データを使って類似度の補正をした結果, 検索精度を大幅に向上できた。
- 1999-03-15
著者
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